【ポケモン剣盾S10シングル最終67位(レート2083)”バイバニラ&ファイアロー軸対面構築"】
こんにちは。松実玄@おまかせあれ! と申します。
今回、ポケモン剣盾シングルランキングマッチ~シーズン10~にて、4回目の最終2桁を達成することができたため、本シーズンで使用した構築についてまとめました。
【最終結果】
T N:Dragon Lord
順位:67位
レート:2083
【構築経緯】
これまでの上位ポケモンが使用禁止となったシリーズ6。使用禁止となるポケモン一覧をみたときに真っ先に思ったこと、それは「バイバニラが大活躍できるのでは?」でした。
は私がシーズン6、8で最終2桁を達成できた際に主軸として活躍したポケモンで、特性ゆきふらしからの高火力必中ふぶきとあられダメージなどにより高い対面性能を持ちます。今回のレギュレーションによって、が苦手とする鎧環境の頂点エースバーン、それ以上に厳しい最大の難敵バンギラス、その他カバルドン・ガオガエン・コータスら天敵ともいえるポケモンが禁止になったことで、これまで以上にの活躍が見込めるのではと考え、再びこのポケモンを軸とした対面構築を組むことにしました。
今環境で対面構築を組むにあたっての大きな変化点は、ミミッキュがいなくなったことです。ばけのかわを生かした対面性能はもちろん、行動回数を稼げることによる切り返し要員として活躍していましたが、それができなくなりました。
そのため今環境で対面構築を組むにあたり「相手エースへの切り返しができるポケモン」を探すことからはじめました。
そこで私が目をつけたポケモンが、ファイアローです。第6世代では大活躍していたものの、特性はやてのつばさの弱体化により一気に影が薄くなった子ですが、第8世代では「先制ダイジェット」という大きな強みを持っています。相手のダイジェットエースがどれだけ素早さを上げようとも先制ダイジェットで切り返しそのまま素早さを上げることで逆に全抜きを狙うことができますし、ダイマックスを切らずとも高火力の先制飛行技によりストッパーの役割を担えます。前期も使用しておりその際は想像以上の活躍をしてくれていたのですが、構築がまとまらず使用を断念しておりました。今環境では相手エースへの切り返しができる強みを最大限に生かせると思い、採用を決めました。
もともとはに命の珠を持たせダイマックスエースとして起用するつもりでしたが、パッチラゴンを中心とした環境では全抜きエースとしての活躍は難しく、別の珠エースを起用することに。環境トップのパッチラゴンに強いことを最低条件にとの相性補完が優れているポケモンを探したところ、すいすいガマゲロゲが浮上。が苦手な炎・電気・岩に強く、が苦手な草にはが強いため相性補完にも優れていたことから、エースとして採用。
・・ が本構築の基本選出となります。
ベースとなる3体が決まったので、残りの3枠で補完をしていきます。
まず、先発ステロ撒きへの対策をすることにしました。というのも、はステルスロックに非常に弱く、HPが半減するだけでなく特性効果も失ってしまい、満足に活躍できないからです。また、先発で出したいはマンムーやヒヒダルマといった氷タイプ、ウインディなどの炎タイプに弱いため、それらのポケモンがみえたときに先発で出せるポケモンが必要。そのため氷・炎タイプや多くの先発ステロ撒き、また低耐久の襷先発にも強く出れるポケモンとして、水ウーラオスをスカーフで運用することに。が雨を活用するポケモンであることから、雨シナジーも期待しての採用です。
次に、対面構築の天敵、壁展開への対策を考えます。対面構築では壁に対して受け回しで壁ターンを稼ぐ、という立ち回りが出来ないため、一度壁を貼られてしまうと対応が非常に困難です。特に今シーズンはオーロンゲとアローラキュウコンが数を増やしているため、対策は必須。ですが、ドラパルトのような強力なすりぬけ持ちポケモンはおらず、瓦割りなどは実戦で投入できるレベルではないため、壁を貼られる前に倒すしかないと考えました。しかし、いたずらごころ持ちのオーロンゲや素早さの早いキュウコンの壁貼りを阻止するのは不可能・・・と思っていましたが、いました。これらの特性を無効化し倒すことができる唯一のポケモン、かがくへんかガスを特性にもつガラルマタドガスです。ここまでのポケモンで苦手としているアシレーヌやマリルリにも強く、明確に苦手とするポケモンが少ないことから対面性能も高いと感じ、採用することとしました。
最後の6体目には、エースであるを通しやすくするため、水タイプに強い圧力をかけられ地面タイプを誘えるパッチラゴンを採用。ここまでのポケモンがリザードンに弱いため、その対策でもあります。
最終的なパーティは
以外が努力値ぶっぱ、も特攻ぶっぱというわかりやすい脳筋構築となりました。
【コンセプト】
・を軸とした対面構築
・先発襷+ストッパー+珠エース という基本選出の確立
・初手でアドバンテージをとる
【個別解説】
※実数値表記は H - A - B - C - D - S の順で()内が努力値配分です。
また、赤色は性格上昇補正、青色は性格下降補正です。
なお、ポケモンは採用順に記載しております。
〇バイバニラ
性格:うっかりや
持ち物:きあいのタスキ
特性:ゆきふらし
実数値:146 - 116(4) - 105 - 178(252) - 90 - 131(252) ※特防個体値は0(ミラーコートのダメージを上げるため)
技構成:ふぶき/ミラーコート/ぜったいれいど/こおりのつぶて
調整意図:CS極振り ※素早さは最速アーマーガア及び準速ホルード抜き
本構築の根幹を成すポケモン。S6及びS8に使用した子とほぼ同様の型ですので、そちらもご参照ください。
【ポケモン剣盾S6シングル最終57位(レート2126)~バイバニラ軸対面構築~】 - 阿知賀のポケモン日誌
【ポケモン剣盾S8シングル最終52位(レート2118)”バイバニラ軸対面構築~ヨロイじまver"】 - 阿知賀のポケモン日誌
エースバーンはもちろん、最大の天敵バンギラスがいなくなったことがなによりの追い風となりました。
基本的には先発で選出。雪降らしにより高火力必中技となったふぶき、霰ダメージ、それとこおりのつぶてによって多くの相手に対面で勝てるまたは相打ちに持ち込めます。(目安としてはDに振っていないナットレイや悪ラオスに対して、対面勝ちまたは相打ちにできます。)
技構成についてですが、ふぶきとつぶては確定。残り2枠はフリーズドライ・ミラーコート・ぜったいれいどの争い。どの技も強みがあり技を変えながら試していましたが、最終的には特殊に対して勝てるミラーコート、耐久ポケモンに対しての突破手段になるほか不利対面でのワンチャンを狙えるぜったいれいどを選択しました。
なおフリーズドライの仮想敵は水ウーラオス・アシレーヌ・ガマゲロゲらが該当しますが、水ウーラオスはとんぼ返りや弱点保険の型が多く鉢巻や珠の場合はすいりゅうれんだで襷を貫通されるため全く安定せず、アシレーヌはそもそもフリドラでは勝てない(D個体値Vでもムンフォ+アクジェで倒される)ので必要性が薄いと判断。それよりも後投げされやすい耐久ポケモンに刺せる零度の方が強いという結論になりました。実際フリーズドライがあればよかったという場面よりもぜったいれいどがあってよかったという場面が多かったのでこれで正解でした。
性格についてはパッチラゴンやホルードに対して確実に上を取れるむじゃきも選択肢でしたが、ナットレイ等への確定数が変わるのと私自身うっかりやでの運用に慣れていたのでうっかりやで使用しています。
このポケモンの強いところは、ほぼどんな相手にも対面で勝てる可能性を持つことです。ふぶきの一貫性が非常に高く、先制技と霰ダメージによって多くの相手に対面で勝てます。それだけでなく、本来勝てない特殊の炎・水・鋼に対してもミラーコートで勝つことができ、耐久ポケモンに対してもぜったいれいどの回数を稼ぐことができるのでほとんどの相手と対面で勝負ができます。対面構築でもっとも重要なことは「初手でアドバンテージを取ること」と考えていますが、は多くの場面でそれを達成することができる、対面性能トップクラスのポケモンだと断言できます。
もはやこの子なしでの構築が考えられないくらい、完全に相棒ポジションとして今期も大活躍してくれました。
〇ファイアロー
性格:いじっぱり
持ち物:こだわりハチマキ
特性:はやてのつばさ
実数値:153 - 146(252) - 92(4)- 77 - 89 - 178(252)
調整意図:AS極振り ※S:最速アイアント抜き
相手エースに対する切り返しが出来るポケモンとして採用。
第6世代から連れてきた子で、当時の努力値振りをそのまま使用しています。
高火力飛行先制技を打てるという唯一無二の強みがあり、Sを上昇させたポケモンに対しても問答無用で上から叩けることから、相手エースに対するストッパーとして機能します。
メインウェポン2つは確定で、3つ目の技にそらをとぶを採用しております。これはダイマックスに対する時間稼ぎを狙ってのもので、例えばダイマックス3ターン目のときに
「先制そらをとぶで上昇→攻撃をかわす→ダイマックスターンが切れる→先制そらをとぶで倒す」
という流れを狙えます。の切り返し性能が上がるためピッタリの技です。最後の枠は途中までとんぼがえりにしていましたが、モロバレルの増加を受け、きのこのほうしに対しての対策&ダイウォールの元となる寝言に変更しました。寝言の仕様上そらをとぶは使用されないため、ブレイブバードかフレアドライブのみが選択されることから、モロバレルが居座ってきた場合はHB特化でも確実に倒すことができるのがとても強かったです。
飛行技の一貫性が非常に高く、先制鉢巻ブレイブバードがよく刺さります。また電気タイプや岩タイプに対してはが強い、逆にが苦手な草タイプに対してはが強いため相互補完がとれています。
これまでミミッキュが担っていた「相手エースへの切り返し」という役割を(ミミッキュとは違う形ではありますが)持つことができ、このポケモンのおかげで「ミミッキュがいない対面構築」についてひとつの答えを出すことが出来たと思います。
〇ガマゲロゲ
性格:いじっぱり
持ち物:いのちのたま
特性:すいすい
実数値:181(4) - 161(252) - 95 - 90 - 95 - 126(252)
調整意図:AS極振り
ダイマックスエースとして採用。
が苦手な炎・電気・岩に強く、特にパッチラゴンからの電気の一貫を切りつつ切り返せるのは大きな強みです。
ダイストリーム後の抜き性能はすさまじく、攻撃範囲も広いのでエースとして活躍してくれました。ただし、草タイプが4倍という致命的な弱点があり、ダイストリームを打つ前にリザードンなどと対面すると、素早さの関係で草技を打たれて何も出来ず倒されてしまいます。今環境は草技の需要が高いと感じていたので、選出段階で草技を使えるポケモンを把握しておくこと、有利を取れる相手には早めに出してダイストリームを打ちすいすいを発動させる立ち回りを意識していました。
物理型にするか特殊型にするかで悩みましたが、
・受けループに強い(ハピナスを突破できるため、ドヒドハピ+電気無効枠の並びに強い)
・アシレーヌに対してのダメージ量が大きい
・相手のダイマックスガマゲロゲに対して非ダイマックス時でも草技を使用することができる(草結びだとダイマックスには無効)
という理由で物理型にしました。物理だとやけどやいかくに弱いというデメリットがありますが、現環境ではほとんど影響はありませんでした。
非常によく環境に刺さっており、エースとしての役割を十二分に果たしてくれました。
〇ウーラオス(れんげきのかた)※通常個体
性格:いじっぱり
持ち物:こだわりスカーフ
特性:ふかしのこぶし
実数値:175 - 200(252) - 120 - 74 - 81(4) - 149(252)
技構成:すいりゅうれんだ/インファイト/かみなりパンチ/とんぼがえり
調整意図:AS極振り
対ステロ撒き、先発要員、スイーパーとして採用。
地面タイプや岩タイプの先発ステロ撒きに対し、すいりゅうれんだを打つことで仕事をさせずに処理することができます。また、スカーフによって襷ゲンガーや襷ルカリオなどに対しても襷を貫通して倒すことができ、が出しにくいヒヒダルマやラプラス、ウインディやマンムーに対して強いため先発要員としても機能します。
上から高火力を押し付けることができるためスイーパーとしても優秀。特にとは雨天候による補完が取れており、がダイストリームを打った後は高火力のすいりゅうれんだを押し付けることができる、逆にでダイマックスしダイストリームを使用した後にすいすいを発動させたがスイーパーとなる、というような雨を生かした立ち回りもできます。
基本選出であるが出しにくいときのカバーとしていい働きをしてくれました。
〇ガラルマタドガス
性格:ひかえめ
持ち物:たつじんのおび
特性:かがくへんかガス
実数値:157(132) - 90 - 141(4) - 150(252) - 91(4) - 95(116)
技構成:ワンダースチーム/ヘドロウェーブ/かえんほうしゃ/こらえる
調整意図:C→極振り(ヘドロウェーブでH252D4振りオーロンゲをちょうど確定1発)
S→準速ドサイドン+3
H→残り
BD→端数
対オーロンゲ、アローラキュウコンのほか、特殊アタッカーとして採用。
上記ポケモンの壁展開を阻止するのが最大の仕事で、それらが選出画面で見えたときは先発として選出します。特性のかがくへんかガスによりいたずらごころやゆきふらしを発動させないことで、壁を貼らせずに倒すことができる私が知る限り唯一のポケモンです。
また、独特なタイプ構成と特性により、パッチラゴン・アシレーヌ・ウーラオス・ナットレイ・サザンドラなど上位のポケモンに対してめっぽう強く、多くの相手との打ち合いに勝てることから先発としても非常に優秀でした。を選出しない場合、この子にダイマックスを切ることが多かったです。
Sはアシレーヌを強く意識しており、私だったら今アシレーヌ使うなら準速ドサイドン抜きまで振るので、それより2増やしています。そのおかげで襷以外のアシレーヌに抜かれることはなく、その他ピクシーやニンフィアなどにもさらに強く出れました。
技についてですが、ワンダースチームは確定、ヘドロ爆弾の追加効果は魅力的ですがオーロンゲへの確定数がずれるのでヘドロウェーブにしています。また、を選出する場合はこの子にダイマックスを切ることが多いので、その後相手のダイマックスを切られたあとにダイマターンの時間稼ぎができるよう、こらえるを採用しました。ダイウォールのもとにもなります。
このポケモンに気づけたことで、対面構築の弱点をカバーすることができ、より安定感のある構築となりました。影のMVPです。
〇パッチラゴン
性格:ようき
持ち物:とつげきチョッキ
特性:はりきり
実数値:165 - 152(252) - 110 - 90 - 91(4) - 139(252)
技構成:でんげきくちばし/げきりん/つばめがえし/ほのおのきば
調整意図:AS極振り
水タイプへの圧力及び地面タイプの選出誘導枠として採用。
圧倒的な火力を持つ環境トップのポケモンですが、環境トップゆえに確実に対策されていること、メイン技2つが無効化されるため択になりがちなこと、どこまでいっても命中不安が付いて回ることから積極的な選出は控えることに。むしろその強烈な圧力によって水タイプを遠ざけ地面タイプを誘うことにより、を通しやすくする選出誘導枠としての働きが主でした。
ただ相手にリザードンがいるときは、襷が削れたを起点に全抜きされてしまうことから、ダイマックスを切る前提で選出しておりました。チョッキを持たせることで、終盤によくみかけたサンパワー珠ダイドラグーンを耐えるようになるため対リザに対してはかなり安定していました。
これまでも何度かを構築に入れていましたが、今シーズンは特にその圧力の高さを実感しました。
【選出パターン(例)】
基本選出:・・
キュウコンorオーロンゲ入り:・・
マンムー入り:・・or
受けループ:・・@1
その他状況に応じて
選出率:>>=>=>>>
【重いポケモン】
・アシレーヌ・・・みがわり持ちだとのミラーコートが悪手になり、エナジーボール持ちだとが止められてしまいます。を軸に選出を組むと戦いやすいです。また、のダイサンダーでよほどBに厚く振ってない限りは一撃なので、初手対面したときには即ダイマックスを切りにいく立ち回りをしていました。
・リザードン・・・初手であればのミラーコートで対応できますが、襷が削れたあとにダイジェットを打たれるとそのまま全抜きされてしまいます。がいると強い切り返しができるので連れていくことが多かったです。また、のそらをとぶでダイマターンを枯らしたあとにのダイストリームで切り返すという立ち回りも多かったです。
・マンムー・・・がこのポケモンを苦手とするので、先発にはを出したいところ。ただ、すいりゅうれんだを受けられたあとに後投げできるポケモンがいるか、それともダイマックスを切って強引に突破していくかは選出段階で考える必要があります。
・ギルガルド・・・先発要員が軒並みこのポケモンに弱く、弱点保険持ちも含めると明確な対策が難しいポケモン。選出が相当歪むことになるので、選出時では特別な対策はせず、選出されて不利対面になったときにダメージを蓄積させて後続で処理する立ち回りをしていました。ギルガルド自身は全抜きできるポケモンではないので、それでなんとかなることもありました。
・ガマゲロゲ・・・すいすい状態になると止めることが非常に困難。対応策は、で同族勝負を制すること。そのためににS補正をかけることも検討しましたが、打点を重視してそこは割り切りました。
【おわりに】
かなり特殊なレギュレーションとなった今シーズンですが、自身が使い慣れているポケモンを主軸にできたので構築自体は早い段階でまとまり、最終日までに100位台に入れていたのでその貯金もあって最終2桁を達成することができました。今までみなかったポケモンも多くみかけることとなり、特に今までほとんどみかけなかったバイバニラを今シーズンは多くみかけたのが印象的でした。
10月には新DLCも発売されるとのことですが、高順位を狙うのは今回でひと区切りとしようと思ってます。とはいえ時間をみつけてポケモンは続けていくので、今後も楽しくポケモンをしていきたいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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